2024/06/01 09:41
スペシャルティコーヒーは確かに美味しい。
初めて飲んだスペシャルティコーヒーの美味しさに白目剥いて悶絶した人は僕以外にもいることでしょう。
(誇大表現☆)
さながら初めて聞いたブルーハーツ。マキシマムザホルモンや銀杏BOYZの曲みたいに頭に雷が落ちたみたいな体験ってありますよね誰しも。
しかしながら僕だけじゃないと思いますが、喫茶店が好きな人って味のどうこうじゃない、魂が反応する瞬間を求めているに間違いない!!

と勝手ながらに思っています。
そしてその瞬間に出会えたあなたはおめでとうございます。(何が)
一生忘れられない瞬間に出会えるのは稀です。漫画や映画じゃあるまいし。
だけどすごい美味しい味以外にも確かに人の心に早めに作用するパブロンみたいな瞬間があるんです。
自分の話ですが例えば北海道に行って体験した出来事。
帰りの電車まで時間があったのでご飯とお茶でもしばこうかなと入ったレトロすぎる古いビルの喫茶店。
外観からしてやばい。(いい意味で)
入ったら人の良さそうなマスターが出迎えてくれました。
そして奥には二人組の男女。
もうじき閉店時間が迫っていたこともあって僕は素早くカレーライスと珈琲をオーダー。
男女の二人組が
いやこんないい喫茶店あるの知らなかったね!
と盛り上がっているのを見てニコっとするマスター。
この時点でだいぶと”味”でしょ、ここは。
はい、僕は確信していました。
味がいいというよりも雰囲気に”味”を感じることはそうそう稀です。
ただただ古い喫茶店であればいいというわけではありません。
初めて入ったのにも関わらず何十年通ってきた店みたいに感じる安心感こそ、そこで過ごす時間が
極上の安らぎと化す瞬間になるのです。
マジです。
お待ちどうさま。カレーライスね。
それと珈琲も持ってくるからね。
はい。タメ口で構いません。
初めて入ってきた得体の知れないお客(自分)に
媚びることなくそのマスターは喋りかけてきました。
これをどう捉えるかでここでの過ごし方は変わってくるかも知れません。
僕は実家?と勘違いしそうになりました。ちょっとくらい横になっても怒られなさそう。
とにかく言葉に棘がない。丸い。
味に関して言えば普通に美味しいカレーライス。
銀の食器にキャベツが添えられ、赤い福神漬けが上に載せられたルーとライス。
珈琲に関しても特段香り豊かで舌の上で何段にも変わるとかではない、普通のやつ。
しかしこれがなかなかどうして、めちゃめちゃ美味しく感じる。
不思議ですよね。
そして先ほどのお客さんが帰ってから数分
あ。カバンの忘れ物だ。
と気づいた僕は
すいません、先ほどのお客さんの忘れ物が、、、
と言ったら
ああ、ほんとだね。
ありがとうねわざわざ。
なんてことない報告をしただけなのにやっぱり安心感の三文字が頭に浮かぶ。
もはや洗脳されていますね。
素早くカレーをかきこみ、珈琲をキメて名残惜しみつつも会計に向かおうとする僕に
え?いいの?もう帰っちゃうの?
とマスター。
うおー!
これが”味”たる所以です。
少し茶をしばこうと初めて入った店でこんなにフレンドリーな会話ができるのは
何十年積み重ねてきた経験があってこそだろうなと、旅の最後に喰らってしまいました。
(旅先で。という思い出補正も隠し味のスパイスとなっております。)
みなさんはどうですか?
魂に響くほどではないにしろそんな経験ありませんか。
なんか喫茶小話みたいな深◯食堂的なノリでいろんな話集めたら面白そうですよね。
まあ要するに僕はそんな瞬間を作りたくて珈琲屋をしているのかもなと。
美味しい珈琲の味を求めるのも忘れないようにしたいですが
いずれそんなマスターみたいな”味”を出せるよう年輪を重ねていきたいと思う次第です。
ご清聴お付き合い頂きありがとうございました。
おわり。

後で確認したら銀の食器でもなくてキャベツは別皿に添えられていました。
思い出補正です。
訂正してお詫び致します。